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自然産物由来の抗炎症性物質の探索-5

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Jacka2006  その5


アルツハイマー病(AD)

 ADの神経病理学的な特徴には、プラーク周辺の小膠細胞の蓄積、局所サイトカイン媒介急性期反応と複合カスケードの活性化が含まれる。炎症反応は神経を傷つけ、病気の根本たる病理学的プロセスを悪化させる [28 ]。大多数の疫学的研究がNSAIDsの使用によってADの臨床的特徴を抑える、あるいは進展を遅らせることを示唆している [29, 30 ]。脳内のCOX-2タンパク発現レベルがアミロイドーシスや痴呆の重度と相関があるという知見に伴い、ADにおいて脳内のCOX-2発現や脳脊髄液中のPGE2含有量が上昇することが報告されている。そのため、NSAIDsのCOX-2抑制によってADは顕著に抑制できる可能性があると言われてきた [31 ]。

 アセトアミノフェン(商用名:タイレノール)が解熱鎮痛作用を示すメカニズムは、脳にある未知のCOXタイプを抑制することによると考えられている。ChandrasekharanらはCOX-1の変形タイプが存在すると提言した。彼らはそれをCOX-3と名付け、特にアセトアミノフェンに感受性があると言っている。イヌ科COX-1領域のcDNAプローブから大脳皮質から単離されたRNAを用いて2つの異なるmRNA種(~2.6kb, 1.9kb)が発見された。2.6kbのcDNAがコードされたCOXはCOX-1と同じ遺伝子に由来するCOX-3の存在を示唆している [32 ]。ゆえにアセトアミノフェンの痛み止め、体温低下はCOX-3阻害によるものであり、子供の発熱に関してこのメカニズムは顕著に関与している [33 ](※)。


※(注釈)
これは2006年以前の話であり、現在の研究ではアセトアミノフェンとCOX-3の結びつきは薄いと考えられているらしい(Wiki )。




Alzheimer's Disease (AD)

The neuropathologic features of AD include the accumulation of microglia around plaques, a local cytokine-mediated acute-phase response and activation of complex cascade. This inflammatory response may damage neurons and exacerbate the pathologic processes underlying the disease [28 ]. A large number of epidemiological studies have indicated that the use of NSAIDs may prevent or delay the clinical features of AD [29, 30 ]. Since COX-2 expression in the brain and PGE2 content in the cerebrospinal fluid have been reported to be elevated in AD together with the finding that COX-2 protein levels in the brain correlate with the severity of amyloidosis and clinical dementia, it has been suggested that COX-2 inhibition by NSAIDs might be involved in the apparent protection in AD [31 ].

The mechanism by which acetaminophen (commercial name, Tylenol) exerts its analgesic and antipyretic action has been elucidated and thought to be through inhibition of brain COX isoform that has never been identified. Chandrasekharan et al. have suggested that there exists a variant of COX-1, which they named cyclooxygenase-3 (COX-3) and is especially sensitive to acetaminophen. Two distinct mRNA species (~2.6 kb and 1.9 kb) were detected by Northern blot analysis with a canine COX-1 coding region cDNA probe using RNA isolated from cerebral cortex. The COX encoded by the ~2.6 kb cDNA was denoted as COX-3 (derived from the same gene as COX-1) [32 ]. Thus, acetaminophen's role in analgesia and hypothermia is due to the inhibition of COX-3, which is more dominantly involved in fever in children [33 ].



自然産物由来の抗炎症性物質の探索-ラスト

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Jacka2006  その6
原文はここまで。あとは部分的に抜粋する予定。


自然産物の展望

 何十年もの間、自然産物は薬物と薬物リードの源泉だった。このことは自然産物から生み出されたタキソール(パクリタキセル )やアーテミシニンカンプトテシン のような薬物の奏功によって証明されている。医学上のブレイクスルーのほとんどは自然に起源する成分に基づいており、その成分は市場でも高いシェアを示している。1999年、販売数トップ20のうち半分は自然産物であり、その売上総額は160億円に及んだ[34 ,35 ]。アメリカ国立がん研究所(NCI) のD.J.Newmanらによる調査によれば、1981年から2002年にかけて世界に普及した877の新規低分子薬物のうち61%が自然産物に基づいており、その内訳は自然産物(6%)、その派生物(27%)、そのファーマコフォア から合成されたもの(5%)、そこから考案された合成物(模倣物、23%)とされる [36 ]。

 生物学的活性がある自然産物を探索するにあたって、植物抽出物はリード化合物 を特定する際に汎用的に使用されている。近年、新薬開発のためのリード化合物開発は、先進ゲノミクス、ハイスループットスクリーニング、コンビナトリアル・ケミストリー のような最新の手法によって劇的に進められてきた[37 ]。痛みと炎症の緩和について伝統医学には複数の記録が存在している。古代から炎症に苦しむ多くの人々にはフィトケミカル が処方されてきたが、このことは最初の抗炎症・解熱薬であるアスピリンの発見によって裏付けられた。アスピリンの発見はギリシャ・ローマ時代のBC400年から知られているヤナギの種子による解熱・鎮痛作用に基づいている。1899年にアセチルサリチル酸(アスピリン)はリウマチを治す可能性のある最初の薬として登場した。その後の数十年でフェニルブタゾン(1949年)、インドメタシン(1963年)、イブプロフェン(1963年)など数多くのNSAIDsが開発され、広められたが、その作用メカニズムの解明はNSAIDsが一般的に標的とする酵素シクロオキシゲナーゼをJ.R. Vane が同定する1971年まで待たねばならなかった [38 ]。

 上述した内容を見るに、自然産物由来の化合物には多大な構造多様性という人工合成物にはない利点があるようだ。2001年に唯一、自然産物由来のCOX-2阻害剤について著したレビューがある[39 ]。この著書は2001年までに判明している植物成分のCOX-2阻害剤について言及している。2003年出版のPolyaによる著書には、リポオキシゲナーゼ(LOX) とCOXに対して阻害作用がある植物由来の自然産物について記述されたチャプターが設けられている。このような流れを受け、この論文では2005年から10年を遡ってCOX-2/COX-1に効果のある自然由来の化合物についてまとめた。



(原文)

NATURAL PRODUCT PERSPECTIVE

For decades natural products have been a wellspring of drugs and drug leads. This has been proven by successful stories of drugs such as taxol, artemisinin, camptothecin etc. developed from natural products. Not only most of medical breakthroughs have been based on compounds of natural origin, but such compounds also represent a large share of the market. In 1999, half of the top 20 best selling drugs were natural products, and their total sales amounted to US $ 16 billion [34,35]. According to a survey by D. J. Newman et al. [36] of National Cancer Institute (NCI), USA, 61% of the 877 small-molecule new chemical entities introduced as drugs worldwide during 1981-2002 were inspired by natural products. These include: natural products (6%), natural product derivatives (27%), synthetic compounds with natural product-derived pharmacophore (5%) and synthetic compounds designed from a natural product (natural product mimic, 23%).

The use of plant extracts in the search for biologically active natural products is a useful approach in the identification of lead compounds. Recently, the lead compound generation for drug discovery processes has been significantly impacted by emerging approaches such as advanced genomic, high throughput screening and combinatorial chemistry [37]. There are several records in traditional medicine focusing on relief from pain and inflammation. Since ancient times many people suffering from inflammation were treated with phytochemicals. This was evident from the discovery of first anti-inflammatory, analgesic drug aspirin. The discovery of aspirin was based on the known analgesic and antipyretic properties of the bark of willow-tree since 400 BC by the Greeks and Romans. In 1899 acetylsalicylic acid (Aspirin) was introduced as the first potent drug to treat rheumatic diseases. In the following decades, dozens of NSAIDs were developed and launched e.g. phenylbutazone (1949), indomethacin (1963) and ibuprofen (1969), but it took until 1971 to discover the mechanism of action of this class of drugs. Vane identified the enzyme cyclooxygenase as the common molecular target of all these compounds [38].

After looking at all above mentioned facts, natural product-derived compounds seem better as these compounds represent great structural diversity which is not commonly seen in synthetic compounds. Only one review article appeared on natural COX-2 inhibitors in 2001 [39]. This book review described COX-2 inhibitory compounds of plant origin till 2001. After this book review, a chapter in Polya's book (published in 2003) presents plant-derived natural products with lipooxygenase (LOX) and COX inhibitory activity [40]. Thus, in the present review an attempt has been made to overview the naturally occurring compounds for their effects on COX-2/COX-1 enzymes during the last decade till 2005.


放射光X線分析によるホットパーティクルの解析-1

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Title:
Detection of Uranium and Chemical state analysis of individual radioactive microparticles emitted from the Fukushima nuclear accident using multiple synchrotron radiation X-ray analyses

Y. Abe[1], Y. Iizawa[1], Y. Terada[2], K. Adachi[3], Y. Igarashi[3], I. Nakai[1]
(1.東京理科大 、2.JASRI 、3.気象庁気象研究所 ), Anal. Chem., 86, 2014.



要約
 シンクロトロン放射光を利用したX線解析によって福島第一原発事故中に放出された放射性微粒子の化学的性質が詳細に解明され、それによって事故の初期段階において原発内で発生した出来事への理解が進められた。2011年3月14日と15日に原発から172km南西にある筑波で収集されたエアロゾルサンプルから、放射性セシウムを含む3つの球形微粒子(~直径2マイクロメートル)が見つかった。この3つの微粒子から放射光蛍光X線分析 によって10種類の重元素(Fe, Zn, Rb, Zr, Mo, Sn, Sb, Te, Cs, Ba)が検出された。さらに、ウランL吸収端XANES スペクトル分析によって3つのうち2つの微粒子からウランが検出された。これは微粒子中にウラン燃料と核分裂生成物が放射性セシウムと共に含まれていたことを意味している。このような結果は、福島第一原発がウラン燃料および核分裂生成物を微粒子として格納容器外へ放出してしまうほど損傷を負っていたことを強く示している。また、個々の微粒子に対し、Fe, Zn, Mo, SnをK吸収端放射光XANESによってスペクトル分析したところ、Fe3+, Zn2+, Mo6+, Sn4+など高度に酸化された状態でガラス中に存在していることが明らかとなった。このことは放射光X線回折法によっても確認された。このようなガラス内の放射性物質は、水溶性である放射性セシウムよりも環境中に長く残存する可能性がある。

原文



1. 実験に用いられたサンプルについて


 この研究の背景は2013年に発表されたAdachi et al. 2013 に基づいている。Adachiらは2010年3月14日から21日にかけて気象庁気象研究所(筑波、36.05N, 140.13E)で採取したエアロゾルサンプルをイメージングプレート(IP)に暴露し、サンプル中に含まれる放射性物質を検出した(Fig.1, Fig.2)。Adachiらの論文では3月14日から15日にかけて到来した放射能雲をプルーム1、3月20日から22日にかけて到来した放射能雲をプルーム2と呼称している。この論文(Abe et al.[2014])で分析されたサンプルはAdachiらが3月14日21時10分から15日9時10分に採取したエアロゾルサンプルであり、プルーム1に対する分析を対象とする。Abeらはこのサンプル中から見つかった3つの微粒子(A-C)をターゲットとして粒子中に含まれる重金属類を解析した(Fig.3)。

  微粒子についての詳細な情報はAdachi et al.2013のSupplementary Information に記載されている



2. シンクロトロン放射光とXANES へ続く

放射光X線分析によるホットパーティクルの解析-2

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放射光X線分析によるホットパーティクルの解析-1 のつづき


2. シンクロトロン放射光とXRF


① シンクロトロン放射光とは

 シンクロトロンとは下図のように陽子や電子などの荷電粒子を磁場を用いて同一の軌道を周回させ、粒子加速を行う加速器を指す。粒子加速を行うためにこれまで線型加速器(リニアック)やサイクロトロンなどの粒子加速器が開発されてきたが、シンクロトロンは従来の欠点を克服し、非常高いエネルギー領域にまで粒子を加速することができる。
 シンクロトロンで加速した電子から放出された制動X線をシンクロトロン放射光 と呼ぶ。Abe et al.[2014]は高輝度光科学研究センター(JASRI)のSPring-8 による放射光を用いてXRFやXANESなどX線分析を行った。

Fig.1 シンクロトロンの模式図(『放射線取扱の基礎』日本アイソトープ協会)
前段加速器としてコッククロフト・ワルトン加速器を用い、加速された粒子をシンクロトロンに入射してさらに加速する。


② XRF(蛍光X線元素分析法)

  シンクロトロン放射光が物質に照射されると、物質を構成する原子の内殻電子が励起されて放出し、代わって外殻の電子がその軌道に遷移する。このとき軌道差のエネルギーが放出され、特性X線として観測される。この特性X線を解析して原子を同定する技術がXRF である。
 
Fig.1 特性(蛍光)X線の発生模式図(画像:Wiki)

 Abeらは放射光を用いて2011年3月14-15日に得られた3つのホットパーティクルを解析した(Fig.2)。前の研究であるAdachi et al.[2013]ではSEM-EDS解析によってFe, Zn, Csの元素が同定されたが、今回の分析からルビジウム(Rb), ジルコニウム(Zr), モリブデン(Mo), 錫(Sn), アンチモン(Sb), テルル(Te), バリウム(Ba), 鉛(Pb)の8つの重金属元素が含まれていることがわかった。Fig.2(a)から、マンガン(Mn)とクロム(Cr)は微粒子A、銀(Ag)は微粒子Bに固有に見られた。またウランL線が微粒子A、Bに観察された。Fig.2(b-d)は各元素の2次元分布イメージであり、各元素の分布がSEM画像とよく一致していることがわかる。微粒子Cからウランの反応は検出されなかった。


Fig.2 (a) SR-μ-XRF(シンクロトロン放射光を用いたXRF)の解析結果。(b-d) 主な重金属元素の粒子内分布。右下のSEMと書かれた画像は微粒子のSEM顕微鏡写真を表す(白線は2マイクロメートル)。b. 微粒子A(青)、c. 微粒子B(緑)、d. 微粒子C(赤)。


 このウラン・セシウムを含む計14種類の重金属元素の検出について、Abeらはその出所を検討している(Fig.3)。これによれば、ウランは燃料に由来し、9つの元素(Rb, Zr, Mo, Ag, Sn, Sb, Te, Cs, Ba)はその核分裂反応の生成物と考えられる。またリアクターの構造にも起因する。原子炉容器にはFe・Mn・Crを含むステンレス鋼が用いられ、燃料被覆管にはZn-Sn合金が使用されている。Znは一次冷却水にも含まれている。前記事 の微粒子のSEM-EDS解析ではケイ素(Si)が検出されているが、これは燃料棒が溶融してコンクリート基盤と反応した結果ではないかとAbeらは書いている(コンクリには二酸化ケイ素が含まれるらしい)。

Fig.3 同定された14元素の起源について(Abe et al.2014, Supporting Information )



3. XANES、難溶性微粒子の肺への蓄積(仮) へ続く

放射光X線分析によるホットパーティクルの解析-3

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放射光X線分析によるホットパーティクルの解析-2のつづき


3. XANES、難溶性微粒子の肺への蓄積

③ XANES(X線吸収端近傍構造


 XRFが元素から放出される特性X線を利用した同定法であるのに対し、XANESはX線吸収率から元素を同定する手法である。照射するX線のエネルギーを上昇させていくと、あるエネルギーで吸収率が劇的に上昇する領域が現れる。
 Fig.1はXANESによる微粒子中のウラン・鉄・モリブデン・錫のスペクトル分析の結果である。Fig.1 aのように、X線のエネルギーレベルを上げるとある領域で吸収ピークが生じる。このピークの形状から元素の同定や、Fig.1bのように元素の電子状態を調べることができる。解析結果は微粒子A・B中にウランが含まれていることを示し、XRFの結果を支持した。また、Fig.1b-dから、鉄原子は3価、モリブデンは6価、錫は4価、亜鉛は2価という通常より高い酸化状態で存在していることがわかった(亜鉛についてはSupporting Information)。

Fig.1 微粒子中におけるウラン元素の同定と各元素の電子状態



④ チェルノブイリ原発事故との比較

 富士フィルムは2011年3月に福島および関東一帯においてX線フィルム等に黒点が発生した理由を、福島原発事故由来の放射性物質によるものと推定した(FCR画像に黒点が発生する現象について)。この黒点の発生は私が当時在籍していた研究所でも確認され、私はその対処に当たったが、フィルムに付着した微粒子を除去することはできなかった(過去記事:ホットパーティクルの飛散)。水はもちろんのこと、エタノールでも除去できなかったことから、この微粒子は難溶性であると判断された。この観測はAdachiらおよびAbeらおよび有志で行われた多くの実験によって裏付けられている。
 ウクライナ科学アカデミーのゲルマン・ボンダレンコらによれば、微粒子の酸化度は放出過程での高温燃料と酸素との反応によって異なる (『チェルノブイリ事故による放射能災害』今中哲二編)。微粒子中に含まれる核燃料ウランは二酸化ウランの状態であり、その価数は+4であるが、高度に酸化された状態では+6の状態へと変わっている(Fig.2)。ボンダレンコらの調査によればフォールアウト(降下物)中の6価ウランと4価ウランの存在比は0.7-1.7だった。この結果から微粒子中に含まれる燃料ウランは部分的に炉内の高温によって酸化されていたものと考えられた。Abeらの結果では鉄・モリブデン・錫・亜鉛について高い酸化状態にあることが示されたが(Fig.1)、これはボンダレンコが言うように炉内の状況を示している可能性が高い。Abeらはウランの酸化状態までは調べられていないが、Fig.1aのデータからウランの酸化状態も調べることができるだろう。ウランの酸化状態は3.11当時の原子炉状態を推定するのに有益な情報になると思われる。また、ボンダレンコが研究した80年代から90年代にはすでにこうした実験が行われていたことから、事故が起こった2011年3月よりほど遠くない時期に微粒子中にウランその他重金属元素が含まれていることは判明していたと推測される(ただし私的な研究調査によって)。

Fig.2 二酸化ウランの酸化プロセス

 ボンダレンコらによる調査では、チェ原発事故の微粒子にはヨウ素131・セシウム134・セシウム137のほか、高沸点のストロンチウム・セリウム・ジルコニウム・プルトニウム・アメリシウム・キュリウム・ネプツニウムが含まれていた。Abeらの分析ではプルトニウム・アメリシウム・セリウムは検出されていない。このことはAbeらが用いたサンプルが、3号機のMOX燃料由来ではないことを仄めかしている。



⑤ ホットパーティクルによる健康被害

 重要なことは、この微粒子が福島をはじめ関東一帯に降り注ぎ農作物や自然を汚染したことと、当時の福島および関東圏一帯の人間がこの微粒子を吸収していたという事実である。Abeらはこの微粒子が難溶性であることを環境問題として提言しているが、人間の肺に蓄積したことについてはほとんど触れていない。また、微粒子が難溶性であることを考えると、当時フォールアウトした野菜類は、たとえ水で洗ったとしてもほとんど洗浄されていなかったと考えられる。つまり東日本のほとんどの人はその粒子がついたものをそのまま経口摂取したと推定される。
 しかし一番に考えるべきことは、人の肺中に含金属タンパク質小体として蓄積している可能性についてである。この関連で、近年アスベスト被害が調査されている(ホットスポット肺内放射線被曝と悪性中皮腫・その他の癌の成因)。アスベストは肺に吸入された後、含鉄タンパク質小体(フェリチン)として蓄積する。フェリチンは呼気によって肺から出すことも、肺の血管から溶出することもなく、肺内に留まって細胞に酸化傷害を与え続ける。これにα核種であるラジウムなどが関与して癌化および悪性中皮腫が引き起こされると考えられている。また重金属類によるフェントン反応の関与も考えられる。細胞内に入った銅や鉄イオンは過酸化水素を分解してOHラジカルを発生させ、DNA酸化損傷を引き起こす。微粒子中の重金属もまたフェントン反応によって細胞にDNA傷害を引き起こしてる可能性がある。原発事故によって放出された微粒子は人の肺に蓄積され、現在も残存している可能性は高いことから、健康被害が出るとすれば、アスベスト被害と同様のプロセスで世間の明るみに出るものと推測される。
 Abeらが明らかにしたことは、2011年3月14~15日に原発由来の放射性セシウムおよびウランをはじめとする重金属類を含む微粒子が、原発より南へ100km以上離れた筑波まで飛来していたことだった。Abeらは実験時に用いた微粒子には散布された当時、短寿命核種の量は今よりはるかに多く含まれていたとしている。したがって肺への傷害は、上述のように重金属がフェリチンとして蓄積し、肺細胞に持続的なダメージを与えることと、放射性物質がα壊変・β壊変によって放出する放射線によるダメージの、二つの経路を考えなければならない。厄介なのは何度も言うようにこの微粒子が難溶性であり、肺の局所に付着して一か所に傷害を与え続けるということだ。当時原発周辺では鼻血を出す人がいたというが、もし鼻血を出すほどの被曝をしたのなら急性放射線症に罹っているはずであり、チェルノブイリさながらの状況が発生していると思われる。したがってこの鼻血の原因については微粒子中に含まれる重金属類に求めた方がよいだろう。しかしそれが事実ならば、鼻血を出すほどの微粒子を吸入したことになり、必然的に微粒子の影響はまず鼻血などの急性症状を呈した人から起こるものと考えられる。Abeらのサンプルは筑波という原発からかなり離れた場所で採取しているためその粒径は数μmという小ささだが、原発周辺ではボンダレンコらが観測したような50μm程度の大きな粒子も見つかるだろう。大きな粒子には当然ウラン等の重金属も多く含まれてると考えられるため、影響もそれだけ出やすいと思われる。したがってこの研究はゆくゆくは世間でいう原発鼻血問題を説明するかもしれない。Abeらは今後微粒子中の各元素の濃度測定を課題として締めくくっているが、その濃度次第で今後の展開が予想される。


歯みがきに用いられる植物の抗生作用と治療効果-1

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 私がこの著作に出会ったのは波平恵美子氏が書いた「医療人類学入門」の一節を読んだときだった。波平氏はアメリカ・セントルイス市にあるワシントン大学歯学部のメモリー・エルヴィン=ルイスの著作を引用し、西インド諸島やアフリカ各地でサトウキビが歯みがきに使われているという奇妙な事実を紹介した。その効果の是非は定かではないが、事実として長い間、そのような地域ではサトウキビや薬用植物によって歯みがきやその他の治療を行われていることをエルヴィン=ルイスは報じている(歯みがきに用いられる植物の抗生作用と治療効果、『医療の人類学』海鳴社)。

 「私たちが、洪水のように溢れる医療情報に振り回される結果になるのは、情報を全体的・総合的にみることをしないからである」。波平氏は章の冒頭でそう語っている。現在の日本の医療はアメリカやヨーロッパに端を発している。日本における医療の歴史はほぼアメリカの歴史と言えるだろう。しかしアメリカは新設の国家であり、高々200年程度の伝統しか持たない。また、科学の進歩を引き合いに出し、かつての人類ではできなかったことを現代はやっているのだから今の医療はかつての欠点を克服した正しい医療であるとする主張はあるが、実のところ新しい有機化合物を新薬として創出し、それを人に投じることには何の科学的根拠も論理的妥当性もないことを言うべきだろう。まして、なぜ一種類の化合物を以って治せると思いこんでいるのか。

 物ごとのはじまりから終わりまでのシナリオを全て把握し、全体的な視点が必要な医療技術において最も必要とされるのは「経験」である。200年かそこらの新設の歴史ではなく、その前にあった医療がなぜそのように至ったのかを我々はあまりに知らないのではないか。なぜ我々日本人は伝統的な医学薬学を未熟な科学レベルの段階でおきながら捨ててしまい、なぜアメリカが毒ガス兵器として開発したものを抗癌剤と詐称して日本人の病人に投じなければならなかったのか。人の一生がどこからはじまり、終わったらどうなるのかという全体的なシナリオについて誰も真面目に考えようとしないのはなぜか。私は2年あまり病院の中に身を置き、癌治療に接すると同時に、歴史と伝統文化が保存された奈良という土地を見歩くうちにそのような疑問を抱えるようになった。それが背景となって今の自分があるのは間違いない。

 一つ言えば、この波平氏という人物はテルペンについて懐疑的であるらしいということが著作からわかる。日本はかつて樟から採れるカンフル(カンファー)を産出し、薬品としてインドやヨーロッパに輸出していた(『香料』山田憲太郎)。現在カンフルは「カンフル剤」と呼称されるように、ただの気付け薬と見做されているが、波平氏も著作の一つで、それは紛い物の薬品であり、実際は効果がないものと明言している。しかし彼女が紹介している事例は、この本が出版された1994年、テルペン研究が世界で黎明期だった時代に、テルペンが伝統的な医療の中心であった事実を雄弁に語っているのである。波平氏はアメリカのチェロキー族などがブラック・バーチやチェリー・バーチの枝を、歯みがき、咳止め、鎮痛、創傷治癒へ用いていることを著作の中で堂々と紹介している。また、マルセル・ドゥティエンヌの『アドニスの園-ギリシャの香料夜話』を引用し、ギリシャ文化におけるハッカの薬用作用についても主張している。要するに波平氏をはじめ、当時の学者たちはテルペンについての科学的知見がないにもかかわらず、フィールドワークから薬用植物の作用がテルペンに発しているということを察することができていたわけである。

  



歯みがきに用いられる植物の抗生作用と治療効果-2

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前回からの続き

 このエルヴィン=ルイスが書いた論文には、世界の各地域で植物のあらゆる部分が歯みがきや医療薬として使用される伝統が存在することを伝えている。エルヴィン=ルイスが調査した時代は1960~1980年と思われ、その医療効果の根拠となるデータも今では追証が必要と思われる。どの成分がどの菌にどれくらい効果があったとか、抗腫瘍効果を示した、という記述はこの論文において重要ではない。現代では手法や知見が数十年前のレベルとはまったく違うからだ。それにも関わらず、この論文はテルペンが民間医療として世界中で用いられてきたことを示す点において重要である。論文からテルペンについての記述を抜粋した。


①合衆国東南部のチェロキー族などは、かつてブラック・バーチチェリー・バーチの枝を好んで歯みがきに用いており、他のインディアンも近縁の種を咳止めだけでなく、収斂作用や鎮痛作用、傷を癒す目的で利用していた。

②アメリカ産ツツジ科のヒメコウジはかつて歯みがきに使われていたが、現在はherbal mountain teaの成分や、香料に使われる冬緑油の原料に用いられている。冬緑油はほぼ98パーセントがサリチル酸メチルで、このサリチル酸メチルはスイート・バーチ油や合成品のサリチル酸メチルとは異性体である。ヒメコウジの広域抗菌成分はまだ同定されていないが、サリチル酸メチルには抗炎症作用および鎮痛作用があるようだ。

③フトモモ科でもっとも歯科にとって重要なのはチョウジノキで、これは丁子油のもとになっている。丁子油には鎮痛、殺菌作用のあるオイゲノールやオイゲノールアセテートの他にも有効成分が含まれている。丁子油は歯痛の民間治療によく用いられ、オイゲノールは今日歯科で、ドライソケット(抜歯後の歯槽炎)の治療や、酸化亜鉛とともに根管治療に用いられている。

④レモン油やグレープフルーツの油や他の部分には、広域抗菌作用のあることが分かっている。アフリカでは、Clausenaanisataがミカン属同様に、歯みがきや歯痛、口腔内感染の治療に用いられている。そしてこの植物に見られる傷口を癒したり、痛みを軽くし、腸内の線虫を駆除する働きは、主としてアネトールメチルカビコールからなる揮発性の油によるものとされている。

⑤Azadirachta indica(センダン科)は歯みがきに広く用いられており、その油は駆虫薬や殺虫剤の他、傷を癒したり、炎症を抑える目的で使われる。その枝や油には広域抗菌作用が見られる。

⑥ココナツの根と乳液は腸内の寄生虫駆除に使われており、その油は虫歯の治療に用いられている。


以上、『歯みがきに用いられる植物の抗生作用と治療効果』(メモリー・エルヴィン=ルイス、松岡悦子訳)より抜粋



 以上のような民間医療に特徴的なのは、科学的データがないにもかかわらず、植物の油を抗菌や鎮痛という作用に共通して使っている点である。テルペンは植物のあらゆる部分に含まれるが、特に根や種子といった重要な部位では多く含まれており、民間療法ではそれを酒や水に浸して用いることが多い。近代においてサリチル酸の解熱作用が同定されたのは、ヤナギの浸出液にサリチル酸が多く含まれていたからだろう(アスピリンの由来)。どういう理由かはわからないが、サリチル酸系が含まれる植物では、しばしばサリチル酸塩が90%級の高い含有率で含まれていることが多い。同じことはオイゲノールを含むチョウジノキなどにも言える(丁子を蒸気蒸留した場合、精油にはオイゲノールが80%程度含まれる)。このような植物の場合、未熟な近代科学であってもその植物の薬効がサリチル酸やオイゲノールに基づくことくらいは容易に推理可能だろう。そのような理由からアスピリンが同定され、工業的に生産されて今日まで世界中に普及してきた。しかしながらそれがすべてではないということは忘れるべきではない。つまりオイゲノール等はアクティブで、薬効作用の中心を担っていることは確かだが、その周辺の成分の役割も調べなければならないということである。たとえばその周辺成分の一つであるリナロールは相乗効果によって薬物透過性を亢進する可能性を持つことが近年わかってきた(リナロールは抗癌剤DOXの効果を高める)。植物成分の中にはアルカロイドその他の強力な薬効成分が存在するが、高分子であるほど経口による摂取・吸収は難しく、血管を通して全身に分布する確率は低くなる。そのような高機能な分子をリナロールなど補助的成分が分布を助けている可能性がある。また、毒性がある既知の成分であっても、相互作用によって毒性が緩和され、その薬効を毒性がないレベルで活かすことができるかもしれない。1:1の実験・検査しかしない現代の手法ではその辺の成分同士の関係性が十分明らかにすることができない。意味がない成分などない、すべてに意味がある。そう見なければその薬効を分析するのに不可欠な相乗効果という本質を見落としてしまう可能性がある。
 また、民間療法からはその使い方を学ぶことも必要だ。いかに有効な成分があってもその適切な使い方がなければ有効に作用することはあり得ないからだ。本来サリチル酸系の精油というのは飲用するものではない。それはどちらかと言うと塗布用の傾向がある。20世紀初頭にアメリカでサリチル酸を信仰する動きがあり、アスピリンエイジなどと呼ばれたが、その結果起こったことはサリチル酸による胃傷害だった(wiki)。民間の伝統から有効な成分を抽出し、それを生産できるようになったとしても、本来の使用から逸脱すれば障害が発生するのは自明である。テルペンを日本では「欄引き(らんびき)」と呼んでいたが(『香料』山田憲太郎)、江戸時代などに見られるテルペン研究から、精油やテルペンの正しい使い方についての知見が得られるかもしれない。研究者は成分の有効性を細胞や化学構造から示すことはできるが、民間に存在するような使用法や応用についてはほとんど関心を示さない。しかしエルヴィン=ルイスの著書などを読むに、重要なのはその使い方とノウハウだと思える。

 アスピリンの発見と同じようなプロセスから、第二、第三のアスピリンを生産することは十分可能だろう。今日アスピリンの有用性は増すばかりである。その可能性はテルペンを研究することによって飛躍するはずである。




辛夷-1

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モクレン科の植物。日本ではタムシバ、コブシなどと呼ばれる。九州では脊振山脈に自生するらしい。葉をもむと芳香を発し、噛むと甘味がある。漢方では早春に蕾を採集し、これを辛夷として用いる。精油を含み、良い香りがする。成分はcitral, α-pinene, 1,8-cineole, camphor, estragole, asaroneなど。漢方では葛根湯加川きゅう辛夷、辛夷清肺湯に用いられている。鼻づまり、鼻炎、副鼻腔炎、頭痛などの症状に使用する。またハーブティーとして飲用されるらしい。

薬酒としての利用:
花弁を2倍量の焼酎に漬ける。1~2週間で引き上げて1カ月以上熟成させると、淡赤橙色の酒になる。

辛夷(コブシ)はモクレン科モクレン属の落葉広葉樹
3月から5月にかけて直径6-10センチの花を咲かせる(wiki
同じモクレン科のタムシバは花の大きさなどが少し違うらしい(wiki


引用:
・『身近な薬用植物』、指田豊・木原浩、平凡社、p12
・『食べる薬草事典』、村上光太郎、農文協、p70


しばらくこういう勉強を続けたい。


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辛夷-2

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 辛夷にcitralなどのモノテルペノイドが含まれるとあったので、その根拠論文を調べてみた。辛夷とはタムシバ(学名:Magnolia Salicifolia)の蕾とある(辛夷-1)。漢方では辛夷といえば蕾から作った生薬を指すらしい。一方でその花びらを酒に浸し、その成分をアルコール抽出によって得る風習も存在するようだ。しかし丁子などは種子にも茎にも花にもオイゲノールが含まれているが、花弁から発せられる成分と種子から得た成分が必ずしも同じとは限らない。そこでタムシバの葉・枝・幹・蕾・花弁に関する成分を調査してみた。
 論文を検索したところ50件ほどヒットした。このうち以下の3つの文献が参考になると思われた。

① Shin-ichi Fujita, Yasuji Fujita, Comparative biochemical and chemo-taxonomical studies of the essential oils of Magnolia salicifolia Maxim. II, Chem.Pharm.Bull., 22(3), 1974, 707-709. [CiNii]
② Shin-ichi Fujita, Yasuji Fujita, Comparative biochemical and chemo-taxonomical studies of the essential oils of Magnolia salicifolia Maxim. III, Chem.Pharm.Bull., 23(10), 1975, 2443-2445. [CiNii]
③ Hiroshi Azuma, et al., Chemical divergence in floral scentsof Magnolia and allied Genera (Magnoliaceae), Plant Species Biol., 12, 1997, 69-83. [Wiley]



A.Fujita et al. 1974の分析
 タムシバの葉・枝(小枝)、幹については論文①が参考になる。①ではまず葉・枝、幹を水蒸気蒸留し、それをエーテルで単離・乾固して精油を得た後、ガス-液体クロマトグラフィで成分分析を行っている。その結果、葉・枝から抽出された精油分にはtrans-anetholeがおよそ64%、幹から抽出された精油分にはcitral-a,bが計47.8%、1.8-cineoleが34%含まれることがわかった(Table 1)。また、精油の収率はIA, II, III, IV, IBで、0.75%, 0.56%, 0.89%, 0.69%, 0.12%となり、幹では葉・枝に比べて低くかった。


Table 1 タムシバ(M.Salicifolia)の葉・小枝と幹から抽出した精油の分析結果
Fujitaらは長野、京都、奈良、岡山の山地から採取したタムシバを用いた。


B. Fujita et al. 1975の分析
 論文②では兵庫県のサンプルから葉・枝・蕾・花について分析している。この研究でも精油の採取方法はほぼ論文①と同様である。その分析結果によると、葉からはmethylchavicol、枝からはcitral-a,bと1.8-cineole、蕾と花からはcitral-a,bが主に検出された(Table 2)。その収率は葉について1.42%、枝については0.51%、蕾については3.8%、花については0.92%となり、特に蕾で高いことがわかった。
 1908年にAsahinaらが同じモクレン科のコブシについて調査しているが、コブシの葉・枝から得られた精油成分のうち、methylchavicolが最も多く検出されている。論文①と合わせて考えると、タムシバの葉・枝の精油成分は基本的に蕾や花とは異なるようである。
 

Table 2 タムシバ(M.Salicifolia)の葉・枝・蕾・花の精油分の分析結果
このサンプルは兵庫県西宮市の座頭谷で採取された(Fujitaらによる)。

C.
 論文②の結果から漢方薬に用いられる辛夷にはcitralをはじめとするモノテルペノイドが含まれていると考えられる。精油分の収率は蕾が最も高かったが、丁子も蕾(clove bud)から採取することを考えると、どうやら蕾には精油分が多く含まれてるようだ。花も蕾とほぼ同様の成分組成なので、花を酒に浸した場合もcitralや1,8-cineoleの精油分が抽出されてるものと思われる。
 ただし空気中に漂う花の香りは別である。論文③(Azama et al. 1997)はヘッドスペース法によってタムシバを含むモクレン科植物の花香を調査した。その結果、リナロール等モノテルペノイドを含むモクレン科植物が多く見られた一方で、タムシバの花香にはモノテルペノイドがほぼ見られず、代わりにBenzyl alcoholなどBenzanoidが多く含まれることがわかった。花香は植物が他家受粉するために必要である。リナロールを含む植物は一般に蛾を花粉媒介として利用する(Knudsen and Tollsten, 1993)。スズメガなどの蛾は夜になるとササユリの花香に誘引され、それによってササユリは蜜を吸う蛾に花粉を付けて他家受粉を行うことが知られている(過去記事:芳香の役割)。一方、Benzanoidには昆虫を刺激する効果があり、タムシバはこの花香を利用して昆虫を花粉媒介に使用する。このためタムシバの花香にはBenzanoidが多く含まれるものと考えられる。



ちょっとした考察

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